沖野 眞已(おきの まさみ)
最高裁判所判事 / 第三小法廷
基本情報
- 生年月日
- 1964年1月12日
- 出身地
- 奈良県
- 学歴
- 大阪教育大学附属高校平野校舎 → 東京大学法学部(在学中に司法試験合格)→ 米ヴァージニア大学ロースクール(LL.M.)
- 前職
- 東京大学大学院法学政治学研究科教授・法学部長
- 任命日
- 2025年7月24日
- 今回の審査
- 初回
- 専門
- 民事法(契約法・債権法・消費者法・信託法)
どんな人物か
- 民法学者: 東京大学法学部で史上初の女性学部長を務めた民法(特に債権法・信託法)の研究者。
- 消費者法の専門家: 学者出身で、最近の判決では消費者契約法に基づく判断を主導。消費者契約法専門調査会の座長代理も務めた。
- 立法過程への関与: 法務省の「法制審議会」委員を歴任。消費者契約法や信託法など、生活に直結する法律の改正議論に参加してきた。
略歴
- 1987東京大学法学部卒業、同助手
- 1990筑波大学社会科学系専任講師
- 1993学習院大学法学部助教授
- 1996米ヴァージニア大学ロースクール LL.M.取得
- 1999学習院大学法学部教授
- 2002法務省民事局(法務専門官・法務事務官)〜2004
- 2007一橋大学大学院法学研究科教授
- 2010東京大学大学院法学政治学研究科教授
- 2025東京大学法学部長、同年7月に最高裁判事就任
出典: 最高裁判所公式
専門・バックグラウンド
専門分野
- 民事法学(契約法・債権法・比較法)
- 消費者法(消費者契約法)
- 信託・担保・財産法全般
特徴
- 学者出身(裁判官・検察官・弁護士経験なし)
- 法務省民事局での実務経験(立法寄り)
- 消費者契約法専門調査会 座長代理
- 米国ロースクール留学経験あり
関与した主な判決
民事
LPガス「無償配管」商法事件 初判断
ガス会社が配管工事費を無償としつつ、解約時に費用請求する契約条項について、 「消費者契約法違反で無効」との初判断を示した。
また、LPガス配管は建物に付合すると判断(民法242条)。
第三小法廷・破棄自判(消費者側勝訴)
弁護士の預かり金差し押さえ事件
弁護士が依頼人から預かっているお金が差し押さえられるかという論点。 適切に分別管理されていない場合は差し押さえの対象となりうるとの判断を示した。
条件付きで差し押さえ可
信託・第三者異議事件
信託目的合意の成否、信託財産該当性の判断時点を整理。
破棄差戻
行政
御嶽山噴火の国家賠償訴訟
遺族らが国と県に損害賠償を求めた裁判で、国の責任を認めなかった下級審判決を支持。
上告棄却(国側勝訴)
刑事
診療録の証拠能力
出所不明な診療録記載を被害者申告事実の認定に用いるのは違法と判断。
建造物侵入
一定要件のコンテナ倉庫を刑法130条の「建造物」と認定。
出典: 最高裁判所 関与した主要な裁判
判決の傾向(現時点)
確認できる点
- 公表されている主要事件はすべて全員一致
- 条文構造・制度趣旨を丁寧に整理する傾向
- 消費者契約法・手続保障に関する判断を行っている
まだ判断できない点
- 憲法・行政など公法分野での立場
- 就任後の期間が短く、蓄積が不足
人となり・思想のヒント
- 学歴・キャリア: 東京大学法学部在学中に司法試験に合格し、卒業後は同大学で助手に。その後複数の大学を経て、東京大学教授・法学部長を歴任。
- 国際経験: 米ヴァージニア大学ロースクールでLL.M.を取得。日本法だけでなく英米法の知見も持つ。
- 研究テーマ: 研究テーマとして一貫して消費者契約法を扱ってきた。契約における情報・交渉力の格差に着目した研究を行っている。
就任会見での発言
「最高裁判決の社会的影響の大きさを強く意識している」
「裁判実務経験の不足は率直に認める」
「多様な意見に耳を傾け、法の在り方を多面的に考えたい」
出典: 最高裁判所 就任記者会見