高須 順一(たかす じゅんいち)
最高裁判所判事 / 第二小法廷
基本情報
- 出身地
- 東京都
- 学歴
- 埼玉県立春日部高校 → 法政大学法学部 → 京都大学大学院(法学博士)
- 前職
- 弁護士(東京弁護士会)、法政大学大学院法務研究科長(教授)
- 任命日
- 2024年
- 今回の審査
- 初回
- 専門
- 民事法・債権法・要件事実論
どんな人物か
- 実務と理論の両面: 長らく弁護士として活動し、法政大学大学院で教授も務めた。実務経験と学術研究の両方を持つ。
- 選挙制度への個別意見: 「一票の格差」訴訟で、多数意見が「合憲」とする中、「違憲状態」との意見を付した。
- 法曹教育への関与: 母校・法政大学で法科大学院の研究科長を務め、法曹養成に携わった。
専門・バックグラウンド
専門分野
- 民法・債権法
- 要件事実・責任理論
- 民事紛争の法理研究
キャリアの特徴
- 実務家(弁護士としての活動)
- 学者・教育者(法政大学で長期教育・研究)
- 制度設計者(法制審議会・日弁連等への参加)
実務・教育・制度設計の三方面を経験していることがキャリアの特徴。
関与した主な判決
憲法・選挙
一票の格差訴訟(2024年衆院選) 個別意見あり
衆議院小選挙区の投票価値不均衡について。 多くの裁判官が「合憲」とする中、高須裁判官は「違憲状態」との意見を付した。 格差が2倍未満であっても、将来2倍を超える可能性がある区割りは問題であるとの見解を示した。
多数意見は合憲 / 高須裁判官は「違憲状態」意見
刑事
和歌山毒物カレー事件 再審請求
林真須美死刑囚の再審(やり直し裁判)を認めない決定に関与。 死刑判決を維持する判断となった。
再審請求棄却
「ルフィ」広域強盗事件
実行役に対する無期懲役判決を支持し、上告を退けた。
無期懲役を支持
児童保護関連事件(令和7年12月23日)
保護法令の適用を是認。
棄却(全員一致)
行政・手続
医療観察法事件(令和7年6月23日)
心神喪失者に対する医療決定に関する抗告事件。 抗告理由に当たらず、法令範囲内の判断。
抗告棄却(全員一致)
民事
国家公務員宿舎 明渡し請求(令和8年1月9日)
多数意見に賛同しつつも意見付加で補足意見を付した。
棄却(多数意見・意見付加あり)
出典: 最高裁判所公式
判決の傾向(現時点)
法解釈の重視
法の条文・制度設計に基づいた判定を重視する傾向が見られる。
慎重な憲法判断
立法的政策領域との境界線を丁寧に扱っているとの評価がある (意見付加などで補足の姿勢)。
人となり・思想のヒント
- キャリアの出発点: 大手法律事務所ではなく、弁護士2名の小規模事務所(遠藤光男元最高裁判事の事務所)からキャリアをスタート。
- 実務と制度設計: 弁護士実務に加え、最高裁の民事規則制定委員会など、裁判手続きのルール作りにも関与してきた。
- 日弁連・法政大学での活動: 日弁連での活動歴があり、法政大学を拠点として法曹養成に携わった。
- 立法・試験への関与: 司法試験の考査委員を務め、法制審議会(民法部会)の幹事として民法改正に関与した。
職務観(本人表明)
「謙虚さ・真摯さをもって職務に取り組む」
「当事者の主張を丁寧に傾聴する姿勢」
「法解釈を厳密に行い、理想と現実の調和的司法を志向」
座右の言葉として「真偽は紙一重、嘘の皮を被りて真を貫く」を挙げている。
出典: 最高裁判所公式